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装飾文様 グロテスク文様

2006年04月22日 23:14

「グロテスク」この意味を辞書で紐解くと、「異様な 奇怪な」といった言葉が並びます。
この、グロテスクという聞きなれた言葉も文様と深い関わりがあります。

中央室の壁画(部分) ドムス・アウレア1
フレスコ画 BC.64-68 ローマ ドムス・アウレア(黄金宮殿)

1480年前後 ローマ エスクィリーノの丘中腹、古代ローマ皇帝ネロのドリス・アウレア(黄金宮殿 BC.64~68)が発見されました。
その地下回廊の内部は、奇怪な生き物、羽根の生えた猛獣や尾ビレを持った馬などが、
花綱や人工物と共に描かれ装飾されていました。

ドムス・アウレア2
クリュプトボルティコのヴォールトにうがたれたルネッタ(部分)
フレスコ画 BC.64-68 ローマ ドムス・アウレア(黄金宮殿)

この、古代ローマから時を経て再び現れた文様は、
当時の画家達には新鮮に映り多大な影響を与えることになりました。
威信の回復を願う教会の政治的背景も手伝い、またたく間に欧州に広がりました。

この 異様な 奇妙な 装飾文様が発見された ”洞窟=グロッタ” にちなみ
   (実際は遺跡であるが、瓦礫に埋もれ洞窟の様な状態になっていた。)
「グロテスク」文様と呼ばれる様になりました。
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装飾文様 青海波

2006年04月16日 01:50

先日、食事を作っていて、キッチンペーパーを手に取ると…
ん? この文様は… 青海波?? 鮫小紋??
どっちの文様なんだろ…


キッチンペーパー キッチンペーパー

しかし、何故にこの文様?!
この並びの方が表面積が増えて効率がいいとか、
水分を吸い取り易いからとか考え難いのですが…

どちらも日本の伝統的な文様で、着物などに使われています。
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文様3 ペイズリー

2006年03月17日 05:21

製作中のバッグが完成に近づき、
全体像を見せつつ失敗の予感も漂わせています。
バッグに掛かりきりでネタが無いので文様の話でも…

革細工とは少々話しが反れてしまいますが、今回はペイズリー文様について。
ペイズリーは勾玉状の草花文様で、
今日でも布地によく使われ、バンダナの柄でも目にする事が出来ます。
バンダナ
このバンダナ、くたびれてて消えかかった部分が…

もともとは、ペルシアの花鳥文様がインドへと伝わり抽象化されていったと言われています。
19世紀に入ると、ヨーロッパでこの文様を配したインドのカシミアショールが爆発的な人気を博し、
やがてスコットランド南西部のペイズリー市でコピーが作られ、
ヨーロッパ中に売られるようになりました。
これが、ペイズリー文様と呼ばれる由来です。
INUオリジナルペイズリー文様

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装飾文様2 リリー

2006年03月14日 01:07

レザークラフトであまり見かけませんが、
シルバー等のアクセサリーでよく使われている文様にリリー(百合の花)があります。
文様というよりは、紋章と言った方がいいしょうか。
フラダリ1

フランスのブルボン王家の紋章でも使われており、
「fleur de lis」(「フルール・ドゥ・リス」「フラ・ダ・リ」)といいます。
モチーフの起源は、百合の花の他にカエル、ミツバチ、アイリスなど諸説あります。
剣の様にデザイン化された百合の花は、とても美しい造形だと思います。

  ちなみに、ナポレオンは蜂の文様を好んだ様です。
  蜂は勤勉の象徴だそうです。

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装飾文様 アカンサス

2006年03月06日 15:50

カービングをやってみたいと思いつつ手を出せないでいます。
同時に、文様にも興味が湧き、オリジナルの図柄を描く足しになればと、
西洋の文様の歴史やモチーフなどを少し勉強してみました。

石榴文様(INUオリジナル)石榴文様1
西洋では一般的な石榴モチーフの文様で、私なりにアレンジしました。

一口に文様といっても、
時代や地域で意味合いが変化していったり流行りがあったりと、
その奥深さに驚かされました。
実際、過剰で過密なバロック様式から、繊細で間を持たせているロココへの移行や、
ゴシックに理想を求めたヴィクトリアなど、
あぁなるほどと、昨今の流行の変化に似た流れを感じました。

そこで、カービングでよく登場する植物文様は…
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